管理栄養士国家試験の過去問より
「医療計画」について過去問をもとに解説します
第36回 問13
(問題)
わが国の医療計画に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1)地域保健法に基づいて策定される。
(2)市町村単位で策定される。
(3)「がん」、「脳卒中」、「心筋梗塞等の心血管疾患」、「糖尿病」、「精神疾患」の5疾病の治療と予防に係る事業が含まれる。
(4)災害時における医療の確保は事業計画に含まない。
(5)三次医療圏は、感染症病床の整備を図るべき地域的単位として定義されている。
(解答) 3
(解説)
(1)医療法に基づいて策定される
(2)都道府県単位で策定される
(4)災害時にける医療の確保は事業計画に含む
(5)三次医療圏とは、先進的、高度専門的医療、特殊医療の機器の配備を行い、特殊な医療を提供する整備を行うことを目的とする。
医療計画とは何か?
医療法第30条の4より
医療計画とは、「医療法」に基づいて各都道府県が策定し、医療圏の範囲、医療圏ごとの基準病床数などを設定している
医療計画は、都道府県が地域の実情に応じて策定する。さらに、原則6年ごと(在宅に関する事項は3年ごと)に再検討する。
医療計画の基本方針は国が策定している。
その基本方針をもとに都道府県が医療計画の策定をしている

「国は基本方針を策定しているだけで、医療計画を実際策定しているのは都道府県」
という部分を勘違いしないように気を付けましょう!
(管理栄養士国家試験 過去問 第34回 問14より)
医療計画は国が策定する ×
医療計画は都道府県が策定する 〇

医療圏とは、病床整備のための単位のこと。
医療計画は、医療圏の範囲、医療圏ごとの基準病床数決めること。
医療圏、医療計画共に都道府県が策定する。
医療計画の5疾病と5事業
医療計画の5疾病と5事業は、医療法に基づいた医療計画に沿って策定されています。
今現在(2023年)は第7次医療計画に基づいており、2024年からは第8次医療計画になります。
まず5疾病とは、
広域的かつ継続的な医療の提供が必要とされる疾病のことをいいます。
下記に記した5疾病のことを言い、国民の命に関わるものや患者数の多いものなどが対象です。
そして5事業は
医療の確保に必要とするものが対象で、患者や住民が安心して医療を受けられるようにするための事業をいいます。
5事業も下記の通りです。
5疾病 | ・がん ・脳卒中 ・心筋梗塞等の心血管疾患 ・糖尿病 ・精神疾患 |
5事業 | ・救急医療 ・災害医療 ・へき地医療 ・周産期医療 ・小児医療(小児救急を含む) |

私たちが安心して医療を受けられるのは
国民皆保険制度も含めた医療体制が整っているからです。
またこうした体制の整備が日本の寿命の長さにつながっていると
感じます。
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