第37回管理栄養士国家試験 問51【食品の変質】

第37回管理栄養士国家試験 問題
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第37回 問51

(問題)

食品の変質に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)細菌による食品の腐敗は、水分活性の低下により促進される。

(2)揮発性塩基窒素は、たんぱく質の変質が進行すると減少する。

(3)K値は、ATP関連物質中におけるイノシンの割合が増加すると低下する。

(4)酸価は、油脂中の遊離脂肪酸量が増加すると低下する。

(5)過酸化物価は、油脂の自動酸価の初期に上昇する。

(解答)5


(解説)

(1)細菌による食品の腐敗は水分活性の低下により抑制する。

(2)揮発性塩基窒素はたんぱく質の変性が進行すると増加する。

(3)K値は、ATP関連物質中におけるイノシン酸の割合が増加すると上昇する。

(4)酸価は、油脂中の遊離脂肪酸量が増加すると上昇する。

食品の変質に関する出題度

評価 :3/5。
第33回問64
第36回問51
第37回問51
過去5年分

第33回 問64

(問題)

食品成分の変化に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)ビタミンB2は、光照射で分解する。

(2)イノシン酸は、脂肪酸の分解物である。

(3)なすの切り口が短時間で褐変するのは、メイラード反応による

(4)大根の辛みが生成するのは、アリイナーゼの反応による。

(5)りんご果汁の濁りは、ミロシナーゼ処理で除去される。

(解答)1


(解説)

(2)イノシン酸は核酸(ATP)の分解物である。

(3)なすの切り口が短時間で褐変するのは酵素的褐変である。

(4)大根の辛みが生成するのはミロシナーゼによるものである。

(5)りんご果汁の濁りは、ペクチナーゼ処理で除去される。

第36回 問51

(問題)

食品成分の変質に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)ヒスタミンは、ヒスチジンの重合反応によって生成される。

(2)飽和脂肪酸は、多価不飽和脂肪酸よりも自動酸価が進行しやすい。

(3)硫化水素は、でんぷんの変質で発生する。

(4)過酸化物価は、油脂の傘下における初期の指標となる。

(5)K値は、生鮮食品中におけるアミノ酸の分解指標となる。

(解答)4


(解説)

(1)ヒスタミンはヒスチジンの脱炭素反応により生成される。

(2)多価不飽和脂肪酸の方が進行しやすい

(3)硫化水素は含流アミノ酸の変質により発生する。

(5)k値は生鮮食品中におけるATPの分解指標となる。

補足

水分活性とは?

食品中の水分には自由水と結合水があり、自由水は食品中に存在しその食品中の中を自由に移動することのできる水のことを指します。

一方結合水は食品中にある成分とくっついた水分であり自由に移動することのできない水分です。

結合水は他の物物質とくっついているため(水素結合している)、温度変化によって蒸発したり凍ることはありません。

温度変化によって食品内の水分が蒸発したり凍るのは自由水によるものです。

食品の腐敗が進行するのも「自由水」によるものです。

本題の水分活性とは、その食品中に含まれる自由水の割合のことをいいます。

水分活性が多いということは自由水が多いとうことを表します。

そのため分微生物を繁殖させる原因となったり腐敗が進行しやすい原因となります。

自由水と結合水の比較をまとめてみました。良かったら参考にしてください。

自由水結合水
食品中の移動できるできない
蒸発や凍結するしない
微生物つきやすいつきにくい
水分活性関与する関与しない
K値とは?

K値とは、肉類や魚類の鮮度を表す指標の一つで、イノシンやヒポキサンチンの割合を指します。

イノシンやヒポキサンチンはATPが最終分解したものです。

肉や魚は死後ATPの分解が進みます。

ATPが分解される→イノシンやヒポキサンチンが発生する。

つまり、イノシンやヒポキサンチンの割合がが多いほど分解が進んでいる=鮮度が落ちているとなります。

なのでK値の割合が多いと鮮度が落ちているとなります。

一方でK値が低いとATPの分解が進んでいない=死後時間が経過していない。となり鮮度が良いと判断されます。

参考資料

第37回管理栄養士国家試験の問題および正答について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

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