第37回管理栄養士国家試験 問46【牛乳の成分】

第37回管理栄養士国家試験 問題
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第37回 問46

(問題)

牛乳の成分に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)乳糖は、全糖質の約5%である。

(2)脂肪酸組成では、不飽和脂肪酸より飽和脂肪酸が多い。

(3)カゼインホスホペプチドは、カルシウムの吸収を阻害する。

(4)乳清たんぱく質は、全たんぱく質の約80%を占める。

(5)β‐ラクトグロブリンは、人乳にも含まれる。

(解答)2


(解説)

(1)乳糖は全糖質の99.8%を占める。

(3)カゼインホスホペプチドはカルシウムの吸収を促進する。

(4)生乳たんぱく質は、全たんぱく質の20%を占める。80%占めるのはカゼインである。

(5)β‐ラクトグロブリンは、人乳には含まれていない。

牛乳の成分に関する出題度

評価 :3/5。
第33回問47
第35回問45
第37回問46
過去5年分

第33回 問47

(問題)

牛乳に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)主な糖質は、マンノースである。

(2)主な脂質は、リン脂質である。

(3)中鎖脂肪酸が含まれているのが特徴である。

(4)加熱で変性するたんぱく質は、カゼインである。

(5)LL牛乳は、低温長時間殺菌法で殺菌される。

(解答)3


(解説)

(1)主な糖質はラクトースである。

(2)主な脂質は、トリグリセリドである。

(4)加熱で変性するのは、ラクトグロブリンとラクトアルブミンである。

(5)LL牛乳は超高温殺菌法を用いる。

第35回 問45

(問題)

牛乳に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)炭水化物の大部分は、マルトースである。

(2)β‐ラクトグロブリンは、乳清に含まれている。

(3)カゼインは、pH6.6に調整すると凝集沈殿する。

(4)脂質中のトリグリセリドの割合は、約15%である。

(5)市販の牛乳は、生乳に水を添加して製造する。

(解答)2


(解説)

(1)炭水化物の大部分はラクトースである。

(3)カゼインはpH4.6で調整すると凝集沈殿する。

(4)脂質中のトリグリセリドの割合は98%である。

(5)市販の生乳は水を添加していない。

補足 まとめ

牛乳に含まれるたんぱく質ほとんどを「カゼイン」と「ホエー」が占めています。

では、この2つはどう違うのでしょうか?簡単な特徴を説明します。

まず割合としてはカゼインが80%、ホエーが約20%を占めています。

ホエーは「生乳たんぱく質」と呼ばれることがあり、問題集や過去問などでもホエーのことを「生乳たんぱく質」と明記してあるので、生乳たんぱく質で覚えた方が良いかもしれませんね。

まず大きな違いの1つ挙げるとすると凝固をするかしないか、ではないでしょうか?

カゼインの大きな特徴としては凝固する、ということです。ヨーグルトやチーズを製造する際にはこのカゼインが大きく関与します。ただしここで気を付けたいのは「酸」や「酵素」によって凝固するという点です。ここでカゼインは凝固する!だけで覚えてしまうと過去問の第33回問47の(4)の問題で引っかかってしまいます。※カゼインは熱で凝固しないので気を付けましょう!

一方ホエー(生乳たんぱく質)は凝固しません。

大きな特徴としてはラクトフェリンを含みます。

ラクトフェリンとは細菌やウイルスなどの感染を防ぐ役割があると言われています。ここ数年のコロナ禍の状況や人々の健康志向への意識から、ラクトフェリンが含まれているヨーグルトやサプリメントもたくさん出回っており、注目されている栄養素の1つなのかな思います。

以上、簡単な説明になります。

国試まであと半年です。頑張りましょう!

参考資料

第37回管理栄養士国家試験の問題および正答について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

無脂乳固形分とは何ですか? | 乳と乳製品のQ&A | 一般社団法人日本乳業協会 (nyukyou.jp)

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