第37回 問38
(問題)
血液系に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1)末梢血中の赤血球は、核を持つ
(2)好中球は、抗体を産生する。
(3)単球が血管外へと遊走すると、形質細胞となる。
(4)フィブリンは、トロンビンによりフィブリノーゲンに変換される。
(5)PAI-1は、脂肪細胞で産生される。
(解答) 5
(解説)
(1)赤血球は核を持たない。
(2)抗体を産生するのは形質細胞である。
(3)単球が血管外へと遊走すると、マクロファージになる。
(4)フィブリノーゲンは、トロンビンによりフィブリンになる。
血液及び血液疾患について
まず血液とは体のどの臓器にも存在しており、生命の維持に欠かすことができません。
役割としては酸素や栄養分の運搬、ホルモンなどの運搬が挙げられます。
またその運搬したものと引き換えに不要になった二酸化炭素や老廃物を回収する役割も担っています。
では血液は体内にどのくらいあるのでしょうか?
目安としては体重の1/13程度、または体重1キロ当たり約80mlの血液が存在しているといわれています。
またその血液から生じる疾患全般を「血液疾患」と言います。
特に貧血は血液疾患の中でも患者が多く、月経がある女性には切っても切り離せないほど身近な疾患といえるでしょう。
貧血について
貧血とは「赤血球に含まれるヘモグロビンが少なくなった状態」を表します。
代表的なものとしては鉄分の不足からくる「鉄欠乏性貧血」や、赤血球の産生低下による「腎性貧血」、ビタミンB12や葉酸不足からくる「巨赤芽球性貧血や悪性貧血」、また赤血球の破壊亢進による「溶血性貧血」があります。
過去問においても貧血に関する問問題が多く出題されているので、貧血の種類や原因、症状などはしっかり確認しておいた方が良いと思います。
↓↓過去に貧血に関する内容を書いているのでよかったら参考にしてみて下さい。↓↓
血液に関する出題度
第33回 | 問41 |
第34回 | 問39 |
第35回 | 問38、39 |
第36回 | 問38、39 |
第37回 | 問38 |
第33回 問41
(問題)
貧血に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)ビタミンB6欠乏は、巨赤芽球性貧血をきたす。
(2)銅の欠乏は、再生不良性貧血をきたす。
(3)溶血性貧血では、ハプトグロビン高値となる。
(4)腎性貧血では、エリスロポエチン高値となる。
(5)鉄欠乏性貧血では、不飽和鉄結合能(UIBC)高値となる。
(解答)5
(解説)
(1)ビタミンB12及び葉酸の欠乏は巨赤芽球性貧血をきたす。
(2)再生不良性貧血は骨髄の造血幹細胞の異常によるものである。
(3)溶血性貧血ではハプトグロビンは低値となる。
(4)腎性貧血ではエリスロポエチンが低値となる。
第34回 問39
(問題)
血液疾患に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1)鉄欠乏性貧血では、相鉄結合能(TIBC)が低下する。
(2)悪性貧血は、内因子の欠如で起こる。
(3)腎性貧血では、エリスロポエチン産生が亢進する。
(4)特発性血小板減少紫斑病(ITP)では、ビタミンK欠乏がみられる。
(5)血友病では、ハプトグロビンが低下する。
(解答)2
(解説)
(1)鉄欠乏性貧血では、相鉄結合能が高値になる。
(3)腎性貧血は、エリスロポエチン産生が低下する。
(4)突発性血小板減少紫斑病ではビタミンKの欠乏はみられない。
(5)ハプトグロビンの低下は、溶血性貧血で見られる。
第35回 問38
(問題)
赤血球に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1)赤血球は、中央が膨らんだ円盤状の構造を持つ。
(2)ABO血液型がO型の場合、赤血球の表面にはA抗原とB抗原が発現している。
(3)赤血球の寿命は、約1か月である。
(4)網赤血球は、寿命を終えた赤血球である。
(5)低酸素環境下で、赤血球数は増加する。
(解答)5
(解説)
(1)赤血球は、中央がくぼんだ形状をしている。
(2)ABO血液型がO型の場合、赤血球の表面にA抗原、B抗原のどちらも発現しない。
(3)赤血球の寿命は約120日である。
(4)網赤血球とは成熟赤血球の一つ前の未熟な状態の赤血球のことである。
第35回 問39
(問題)
血液疾患に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1)血友病では、プロトロンビン時間(PT)が短縮する。
(2)再生不良性貧血では、骨髄が過形成を示す。
(3)悪性貧血では、内因子の作用が増強する。
(4)鉄欠乏性貧血では、相鉄結合能(TIBC)が低下する。
(5)播種性血管内凝固症候群(DIC)では、フィブリン分解産物(FDP)が増加する。
(解答)5
(解説)
(1)血友病ではプロトロンビン時間が延長する。
(2)再生不良性貧血では、骨髄が低形成となる。
(3)悪性貧血では、内因子の作用が減弱する。
(4)鉄欠乏性貧血では、相鉄結合能が上昇する。
第36回 問38
(問題)
血球に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1)赤血球には、ミトコンドリアが存在する。
(2)好中球は、抗体を産生する。
(3)B細胞は、胸腺で成熟する。
(4)好酸球は、アレルギー反応に関与する。
(5)血小板には、核が存在する。
(解答)4
(解説)
(1)赤血球にはミトコンドリアは存在しない。
(2)抗体を産生するのはBリンパ球である。
(3)胸腺で成熟するのはT細胞である。
(5)血小板には核は存在しない。
第36回 問39
(問題)
血液疾患に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1)再生不良性貧血では、造血幹細胞が増加している。
(2)多発性骨髄腫では、低カルシウム血症が起こる。
(3)悪性貧血は、エリスロポエチン産生低下によって起こる。
(4)急性白血病では、出血傾向がみられる。
(5)成人T細胞白血病は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)によって起こる。
(解答)4
(解説)
(1)再生不良性貧血では、造血幹細胞が減少している。
(2)多発性骨髄腫では、高カルシウム血症が起こる。
(3)悪性貧血はビタミンB12、及び葉酸の欠乏によって起こる。
(5)成人T細胞白血病はヒトT細胞白血病ウイルスⅠ型によって起こる。
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