第37回 問36
(問題)
運動器系に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
(1)日光暴露の不足は、くる病の原因である。
(2)高リン血症は、骨軟化症の原因である。
(3)糖尿病は、骨折のリスク因子である。
(4)脊椎椎体は、骨粗鬆症における骨折の好発部位である。
(5)DXA(DEXA)法は、骨密度の評価に用いられる。
(解答)2
(解説)
低リン血症は骨粗鬆症の原因となります。
運動器について
「運動器」とは運動に関係する骨や神経、筋肉などのすべてを指します。
消化器系や循環器系は自らの意思で動かすことができないのに対し、運動器は自らの意思で動かすことのできる器官です。
骨の構成成分
骨は約70%を無機成分、約20%を有機成分、その他10%を水分で構成しています。
無機成分は主にリン酸カルシウム、有機成分はコラーゲンなどのたんぱく質をいいます。
無機成分と有機成分の大きな違いは「C(炭素)」を含むか含まないかの違いで、炭素を含むものを有機成分、一方含まないものを無機成分といいます。

運動器に関する出題度
第34回 | 問36 |
第35回 | 問36 |
第36回 | 問36 |
第37回 | 問36 |
第34回 問36
(問題)
運動器系に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1)骨の主な有機質成分は、コラーゲンである。
(2)頸椎は12個で構成される。
(3)橈骨は、下腿の骨である。
(4)骨格筋は、平滑筋である。
(5)白筋は、持続的な収縮に適している。
(解答)1
(解説)
(2)頸椎は7個で構成される。
(3)橈骨は上腕の骨である。
(4)骨格筋は横紋筋である。
(横紋筋は骨格筋と心筋に存在する。平滑筋は内臓筋に存在し、自らの意思で動かすことはできない。)
(5)白筋は、瞬発力を必要とするときに適している。
(持続的な運動は赤筋が適している。)
第35回 問36
(問題)
運動器に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1)腰椎は、6個である。
(2)舌運動は、舌咽神経支配である。
(3)咬筋は、顔面神経支配である。
(4)筋が収縮する際は、筋小胞体からカリウムイオンが放出される。
(5)筋収縮のエネルギーは、ATPの分解による。
(解答)5
(解説)
(1)腰椎は5個である。
(2)舌運動は舌下神経支配である。
(3)咬筋は三叉神経支配である。
(4)筋が収縮する際は、筋小胞体からカルシウムイオンが放出される。
第36回 問36
(問題)
運動器系に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1)骨軟化症は、ビタミンAの欠乏で生じる。
(2)骨基質は、破骨細胞によって産生される。
(3)骨型アルカリフォスファターゼ(BAP)は、骨吸収マーカーである。
(4)尿中デオキシピリジノリンは、骨形成マーカーである。
(5)YAM(若年成人平均値)は、骨粗鬆症の診断に用いられる。
(解答)5
(解説)
(1)骨軟化症はビタミンDの欠乏で生じる。
(2)骨基質は、骨芽細胞によって産生される。
(3)骨型アルカリフォスファターゼは、骨形成マーカーである。
(4)尿中デオキシピリジノリンは、骨吸収マーカーである。
補足
白筋と赤筋の話
運動や日常生活の活動において欠かせない筋肉には「白筋」と「赤筋」があります。
白筋は瞬発力などに適しており、赤筋は持久力に適していると過去問などでも出題されています。
ではなぜそうなのか?
ではなぜ白と赤なのか?

実際(見たことはありませんが)白筋は白く、赤筋は赤くなっています。
違いは赤筋には「ミオグロビン」が多く含まれているため「赤く」見えるそうで、それに対して白筋は「ミオグロビン」の含有量が少ないため白くみえます。
白筋と赤筋の割合は個人差大きく比較的遺伝要素が大きいとされています。
白筋は赤筋に比べて加齢とともに低下しやすく、そのため年齢が高くなっていくと瞬発力の衰えを感じやすくなります。
赤筋と白筋の違いの例えでよく魚を用いますがマグロなどの赤身魚は赤筋を多く含み、ヒラメなどの白身魚は白筋を多く含んでいます。
実際マグロは行動範囲が広く常に泳いでいるのに対しヒラメなどの白身魚は行動範囲が狭く、中には海底でじっとしている魚もいます。
筋肉の割合の違いによって魚の生態も大きく変わるのがよくわかりますね。
ちなみに「鮭」は・・・?

鮭は「白身魚」の仲間です。
鮭にはエビやカニにも含まれている「アスタキサンチン」という色素が含まれているため、赤みがかった色をしていますが、実際は白身魚の仲間になります。
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