第37回 問34
(問題)神経系の構造と機能に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1)くも膜は、脳の表面に密着している。
(2)体温調節中枢は、視床にある。
(3)呼吸中枢は、中脳にある。
(4)排便反射の中枢は、仙髄にある。
(5)錐体路は、体性感覚の伝達を行う。
(解答)4
(解説)
(1)脳の表面に密着しているのは硬膜である。
(2)体温調節中枢は間脳の視床下部にある。
(3)呼吸中枢は延髄にある。
(5)錐体路は、大脳皮質の伝達を行う。
※体制感覚とは、五感(視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚)の感覚や、運動や位置を伝える感覚などの総称をいう。
神経系とは?
神経系とは体内外の変化などを素早く察知、処理、調整を行う器官のこと。
皮膚や体の各部位からの情報を脳に送り、その情報を分析・判断し、判断した情報に基づいて体の各部位に伝達する役割があります。
神経系とは大きく分けると中枢神経系と末梢神経系があります。

【中枢神経系】脳と脊髄からなり、全身に指令をおくる働きを持つ
・脳
・脊髄
※脳神経、脊髄神経は中枢神経ではなく末梢神経です
【末梢神経系】 中枢神経と各部位の神経を結び、情報伝達を行う神経
脳神経・・・脳から延びる12対の末梢神経のこと
脊髄神経・・・脊髄から延びる末梢神経で31対ある
体性神経・・・感覚神経と運動神経からなる
自律神経・・・主に交感神経と副交感神経
神経系に関する出題度
第33回 | 問36、39 |
第34回 | 問33 |
第35回 | 問34 |
第36回 | 問34 |
第37回 | 問34 |
第33回 問36
(問題)
神経疾患に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)脚気では、末梢神経の障害がみられる。
(2)葉酸欠乏症では、脊髄の変性がみられる。
(3)レビー小体型認知症の原因は、脳血管障害である。
(4)アルツハイマー型認知症では、パーキンソン病様症状がみられる。
(5)パーキンソン病では、錐体路の機能障害がみられる。
(解答) 1
(解説)
(2)葉酸欠乏症では神経管閉鎖障害がみられる。
(3)レビー小体型認知症の原因はレビー小体という変性したたんぱく質が脳にたまることによって起こる。
(4)アルツハイマー型認知症は、記憶障害や見当識障害などがみられる。
(5)パーキンソン病では、錐体外路症状(無動、筋強剛、安静時振戦、姿勢反射障害)がみられる。
第33回 問39
(問題)
神経系の構造と機能に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)交感神経が興奮すると、消化管の運動は亢進する。
(2)副交感神経が興奮すると、唾液の分泌は減少する。
(3)摂食中枢は、延髄にある。
(4)三叉神経は、味覚の伝達に関与する。
(5)味蕾は、味覚の受容器である。
(解答)5
(解説)
(1)消化管の運動が亢進するのは副交感神経が興奮している時である。
(2)副交感神経が興奮すると唾液の分泌が増加する。
(3)摂食中枢は視床下部にある。
(4)三叉神経は顔の感覚を脳に伝える。
第34回 問33
(問題)
神経疾患に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1)パーキンソン病では、筋緊張低下がみられる。
(2)レビー小体型認知症は、ウイルス感染により起こる。
(3)脳血管性認知症では、感情失禁がみられる。
(4)アルツハイマー病では、病状が階段状に進行する。
(5)アルツハイマー病では、まだら認知症がみられる。
(解答) 3
(解説)
(1)パーキンソン病では筋緊張の亢進がみられる。
(2)レビー小体型認知症はレビー小体という変性したたんぱく質が脳に蓄積することで起こる。
(4)アルツハイマー病は緩やかに進行する。
(5)まだら認知症は脳血管性認知症で起こる。
第35回 問34
(問題)
迷走神経に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1)脊髄神経である。
(2)副交感神経線維を含む。
(3)興奮により、胃酸分泌が抑制される。
(4)興奮により、心拍数が増加する。
(5)興奮により、胆嚢が弛緩する。
(解答)2
(解説)
(1)迷走神経は、感覚神経や運動神経の一つである。
(3)興奮により胃酸の分泌は促進する。
(4)興奮により心拍数が低下する。
(5)興奮により、胆嚢が収縮する。
第36回 問34
(問題)
交感神経の興奮で起こる反応である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1)瞳孔は、縮小する。
(2)気管支は、縮小する。
(3)肝臓のグリコーゲンの分解は、抑制される。
(4)皮膚の血管は、抑制される。
(5)発汗する。
(解答)5
(解説)
(1)瞳孔は拡大する。
(2)気管支は拡張する。
(3)肝グリコーゲンの分解は促進する。
(4)血管は拡張する。
補足
交感神経と副交感神経
交感神経と副交感神経をまとめてみました。

過去問や問題集などでは交感神経、副交感神経のどちらの働きによって「上昇」「低下」「拡大」「縮小」を問う問題があります。
交感神経は体の機能が活発化しているときに働くので血圧が上昇したり、汗をかいたりします。
一方副交感神経は眠っているときやリラックスしているときなどに優位に働きます。
日頃の自分の状態から「今は交感神経と副交感神経のどっちが優位?」と意識しながら過ごすとよりイメージがわきやすくなると思います。
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