第37回管理栄養士国家試験 問32【腎臓】

人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
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第37回 問32

(問題)

腎疾患に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)高血圧は、ネフローゼ症候群の診断基準に含まれる。

(2)ネフローゼ症候群では、血清LDLコレステロール値は低下する。

(3)糖尿病腎症病気分類での早期腎症期は、顕性アルブミン尿陽性である。

(4)慢性腎不全では、低リン血症が見られる。

(5)腹膜透析液のグルコース濃度は、血中のグルコース濃度より高い。

(解答)5


(解説)

(1)高血圧はネフローゼ症候群の診断に含まない

(2)ネフローゼ症候群では高LDL血症がみられる

(3)

(4)慢性腎不全では高リン血症が見られる。

 ※腎臓の機能低下によりリンを排泄できにくくなるため。

過去問に出る主な腎疾患

腎不全とCKD

腎不全は腎臓の機能低下によっておこる疾患で、腎臓の機能が正常な状態の30%以下になった場合に腎不全といわれます。

初期の段階では自覚症状が少ないため気づきにくい。

腎臓の機能が不十分なために老廃物や尿が体外へ排出されにくくなり、それによって体に様々な影響が現れます。

主な症状としてはむくみや体重の増加、血圧の上昇、尿量の減少、貧血など

急激に症状が出現する急性腎不全と徐々に症状が悪化していく慢性腎不全があります。

慢性腎不全では糖尿病を原因とする腎不全(糖尿病腎症)が多く、慢性腎不全になると回復が難しいと判断されることが多い。

また過去問や問題集などでCKDについて問われることがありますが、CKDは慢性に経過するすべての腎臓病のことをさします。

CKDは慢性腎臓病の総称で日本では約1330万人の患者がいると推定されています。

CKDの診断基準

・糸球体濾過量(GFR)が60ml/分/1.73㎡未満

・尿たんぱく、血尿など

上記の両方又はどちらかが3か月以上続いた場合に診断される。

またCKDでは以下の分類に分けられ、G5が最も症状が重く人工透析へ移行する場合が多い。

ネフローゼ症候群

ネフローゼ症候群は尿中にたんぱく質が多量にでる疾患

症状としてはむくみや低たんぱく血症、たんぱく尿、低アルブミン血症、高LDL血症など

ネフローゼ症候群は糸球体からのたんぱく質の漏出があるため低たんぱく血症やたんぱく尿、低アルブミン血症が出現する。

また漏出することによって間質への水分が流れ、むくみが出現する。

たんぱく質の漏出に伴う水分量の減少が、循環血流量の減少につながるため循環血流量が減少=低血圧と判断され、レニン・アンジオテンシン・アルドステロンの分泌が促進し高血圧となる。

たんぱく質の漏出による低アルブミン血症によって、肝臓でアルブミンの合成が活性化しそれとともにコレステロールの合成も活性化するため、高LDL血症になりやすくなる。

一次性と二次性があり、若年層に多く発生する微小変化型ネフローゼ症候群は一次性ネフローゼ症候群に該当します。

二次性ネフローゼ症候群は糖尿病、膠原病、ウイルス性肝炎などが原因となって現れることが多い。

診断基準

・尿たんぱく(1日3.5g以上)

・低アルブミン血症

・浮腫

・脂質異常症(高LDL血症)

※尿たんぱくと低アルブミン血症の出現は必須条件となります。

腎疾患に関する出題度

評価 :3/5。
第33回問33
第36回問32
第37回問32
過去5年分

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第37回管理栄養士国家試験 問31【腎・尿路系】 | 働きながら管理栄養士を取るブログ (mii-kanrieiyoushi.com)

第33回 問33

(問題)

腎臓の構造と機能に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)原尿は、尿細管で生成される。

(2)糸球体に流入する血液は、静脈血である。

(3)アルドステロンは、カリウムの再吸収を促進する。

(4)バソプレシンは、水の再吸収を促進する。

(5)糸球体濾過量は、腎血流量の約90%である。

(解答)4


(解説)

(1)原尿は腎小体で生成される。

(2)糸球体に流入する血液は動脈血である。

(3)アルドステロンはナトリウムの再吸収を促進する。

(5)糸球体濾過量は腎血流量の約10%である。

第36回 問32

(問題)

腎臓に作用するホルモンに関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)バソプレシンは、水の再吸収を抑制する。

(2)カルシトニンは、カルシウムの再吸収を促進する。

(3)副甲状腺ホルモン(PTH)は、カルシウムの再吸収を促進する。

(4)心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)は、ナトリウムの再吸収を促進する。

(5)アルドステロンは、カリウムの再吸収を促進する。

(解答)3


(解説)

(1)バソプレシンは、水の再吸収を促進する。

(2)カルシトニンは、カルシウムの再吸収を抑制する。

(4)心房性ナトリウム利尿ペプチドは、

(5)アルドステロンは、ナトリウムの再吸収を促進する。

参考資料

第37回管理栄養士国家試験の問題および正答について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

一般社団法人 日本肝臓学会 (jsh.or.jp)

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