第37回管理栄養士国家試験 問29 30【循環器系】

人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
スポンサーリンク
スポンサーリンク

第37回 問29

(問題)

循環器系の構造と機能に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)左心室の壁厚は、右心室の壁厚よりも薄い。

(2)洞房結節は、左心房にある。

(3)胸管は、右鎖骨下大動脈に流入する。

(4)門脈を流れる血液は、動脈血である。

(5)血圧上昇により第動脈弓の圧受容体が刺激されると、心拍数は低下する。

(解答)5


(解説)

(1)左心室の壁厚は右心室の壁厚よりも厚い

(2)洞房結節は右心房にある。

洞房結節は、ペースメーカーのような役割を持っている。

右心房に存在し、この洞房結節で発生した刺激により心室が収縮する。

(3)胸管は左鎖骨下に流入する。

(4)門脈を流れるのは静脈血である。

第37回 問30

(問題)

循環器疾患に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)狭心症では、心筋壊死が生じる。

(2)腎血管性高血圧は、本態性高血圧である。

(3)心室細動は、致死性不整脈である。

(4)右心不全では、肺水腫が生じる。

(5)心不全では、血中BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)値が低下する。

(解答)3


(解説)

(1)心筋壊死は心筋梗塞で起こる。

(2)腎血管性高血圧は二次性高血圧である。

(4)左心不全では肺水腫が起こる。

(5)心不全では血中BNP値が上昇する。

循環器系とは?

循環器とは血液やリンパ液など全身を循環させる働きを行う器官の総称であり、循環器疾患はその全身に循環させる器官が正常に働かなくなる疾患のことをいう。

主な疾患としては高血圧、心疾患、脳血管疾患などがあり、いずれも今の日本では罹患者が多いものばかりです。

循環器系に関する出題度

評価 :5/5。
第33回問31
第34回問29
第35回問29
第36回問29 30
第37回問29 30
過去5年分

循環器に関する出題は毎年出ており36回、37回に関しては2問出題しています。

第33回 問31

(問題)

循環器疾患に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)心房細動は、脳出血のリスク因子である。

(2)心室細動は、致死性不整脈である。

(3)心筋梗塞による胸痛は、ニトログリセリンが有効である。

(4)仮面高血圧では、家庭血圧は正常である。

(5)右心不全では、肺うっ血をきたす。

(解答)2


(解説)

(1)脳出血のリスク因子は、高血圧、喫煙、飲酒などである。

(3)ニトログリセリンは狭心症による胸痛に有効である。

(4)仮面高血圧は、家庭血圧が高値である。

(5)左心不全では、肺うっ血をきたす。

第34回 問29

(問題)循環器系の構造と機能に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)僧帽弁を通る血液は、動脈血である。

(2)肺静脈を流れる血液は、静脈血である。

(3)左心室の壁厚は、右心室の壁厚よりも薄い。

(4)交感神経の興奮は、心拍数を低下させる。

(5)アンジオテンシンⅡは、血圧を低下させる。

(解答)1


(解説)

(2)肺静脈を流れる血液は動脈血である。

(3)左心室の壁厚の方が右心室の壁厚よりも厚い。

(4)副交感神経の興奮は心拍数を低下させる。

(5)アンジオテンシンⅡは、血圧を上昇させる。

第35回 問29

(問題)

循環器系に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)心臓血管中枢は、小脳にある。

(2)三尖弁は、左心房と左心室の間にある。

(3)洞房結節は、左心房にある。

(4)静脈の容量は、動脈の容量より大きい。

(5)心電図のQRS波は、心房の興奮を示す。

(解答)4


(解説)

(1)心臓血管中枢は延髄にある。

(2)三尖弁は右心房と右心室の間にある。

(3)洞房結節は右心房にある。

(5)QRS波は心室の興奮を示す。

第36回 問29

(問題)

循環器系の構造と機能に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)心筋は、平滑筋である。

(2)冠状動脈は、上行大動脈から分岐する。

(3)肺動脈を流れる血液は、動脈血である。

(4)動脈の容量は、静脈の容量より大きい。

(5)リンパ(リンパ液)は、鎖骨下動脈に流入する。

(解答)2


(解説)

(1)心筋は横紋筋である。

(3)肺動脈を流れる血液は、肺静脈である。

(4)動脈よりも静脈の方が容量は大きい。

(5)リンパは鎖骨下静脈に流入する。

第36回 問30

(問題)

循環器疾患に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)仮面高血圧では、家庭血圧は正常である。

(2)狭心症では、心筋壊死が生じる。

(3)深部静脈血栓症は、肺塞栓のリスク因子である。

(4)右心不全では、肺うっ血が生じる。

(5)ラクナ梗塞は、太い血管の閉塞による脳梗塞である。

(解答)3


(解説)

(1)仮面高血圧では、家庭血圧が高血圧である。

(2)心筋壊死は心筋梗塞で起こる。

(4)左心不全で肺うっ血が生じる。

(5)ラクナ梗塞は細い血管の閉塞による脳梗塞である。

補足

動脈と静脈って容量が違うの?

動脈と静脈の血管の特性に違いがあり、その違いによって容量が違ってくるようです。

血管は内膜・中膜・外膜から成り立ち、3層構造となっています。

動脈は弾力性を持ち、血管の収縮などを行うことで血圧を調整する一方、静脈は動脈に比べて弾性が少なく血圧は低い状態となっています。また血管も柔らかく進展しやすいために血液の流れる量によって血管を広げることができます。

そのため、静脈の方が容量が多くなります。

参考資料

第37回管理栄養士国家試験の問題および正答について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

コメント