第37回管理栄養士国家試験 問24【臨床検査】

人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
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第37回 問24

(問題)

臨床検査に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)溶血性貧血による高ビリルビン血症では、直接ビリルビンが優位になる。

(2)血中CRP値は、炎症で低下する。

(3)抗GAD(抗グルタミン酸脱炭酸酵素)抗体は、自己抗体である。

(4)腹部エコー検査は、妊娠中の女性には禁忌である。

(5)MRI検査は、X線を利用して画像を得る。

(解答)3


(解説)

(1)溶血性貧血による高ビリルビン血症では間接ビリルビンが優位になる。

(2)血中CRP値は炎症で上昇する。

(4)腹部エコー検査は、妊娠中の女性にも利用できる。

(5)MRI検査は磁気を利用して画像を得る検査である。

臨床検査とは?

臨床検査とは、血液、尿、便、脳波や心電図などを調べる検査のことで、健康状態や疾病及びその原因を調べることを目的とするもの。

診療目的であるので一般的な健康診断と同じではありません。

臨床検査に関する出題度

評価 :4/5。
第33回問27
第34回 問24
第35回問24
第37回問24
過去5年分

第33回 問27

(問題)

臨床検査に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)基準値は、健常者の測定値の75%が含まれる範囲である。

(2)心電図のP波は、心室の興奮を反映している。

(3)便潜血反応は、大腸がんのスクリーニングとして用いられる。

(4)ALTの上昇は、心臓疾患に特異的である。

(5)CT(コンピューター断層撮影)は、磁気を利用する検査である。

(解答)3


(解説)

(1)基準値は健常者測定値の95%が含まれる範囲である。

(2)心電図のP波は心房の興奮を反映している。

(4)ALTの上昇は、肝疾患に特異的である。

(5)CTはX線を利用する検査である。

第34回 問24

(問題)

臨床検査に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)心電図検査は、画像検査である。

(2)X線検査は、生理機能検査である。

(3)超音波検査は、妊娠中には禁忌である。

(4)スパイロメトリは、拘束性肺障害の診断に用いられる。

(5)核磁気共鳴イメージング(MRI)検査では、放射線被曝がある。

(解答)4


(解説)

(1)心電図検査は生理機能検査である。

(2)X線検査は画像検査である。

(3)超音波検査は妊娠中でも可能である。

(5)核磁気共鳴イメージング(MRI)は放射線被曝はない。

第35回 問24

(問題)

臨床検査に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)C反応性たんぱく質(CRP)の血中濃度は、炎症があると低下する。

(2)血中尿素窒素は、たんぱく質の異化亢進で減少する。

(3)胆道が閉塞すると、血中で間接ビリルビンが優位に増加する。

(4)臓器移植では、ヒト白血球型抗原(HLA)の適合を判定する。

(5)75g経口ブドウ糖負荷試験は、糖尿病網膜症の有無を判断するために行う。

(解答)4


(解説)

(1)C反応たんぱく質の血中濃度は炎症があると上昇する。

(2)血中尿素窒素は、たんぱく質の異化亢進で上昇する。

(3)胆道が閉塞されると直接ビリルビンが優位に増加する。

(5)75g経口ブドウ糖負荷試験は、糖尿病の有無を判断するために行う。

補足

ALTとAST

ALTとASTは肝臓の細胞に多く含まれている酵素で、肝機能を調べる際に使われる検査項目です。

肝臓が何らかのダメージを受け細胞が破壊されると、血中にALTやASTが大量に流出するためALTやAST値が上昇します。

またASTは肝臓だけでなく筋肉や赤血球にも存在するため、ALTが正常値なのにASTだけが数値が高いとなれば肝臓以外の所で問題がある可能性が疑われます。

間接ビリルビンと直接ビリルビンについて

ビリルビンは元々赤血球が破壊されたもので、間接ビリルビンと直接ビリルビンがあります。

脾臓にて赤血球が破壊されるとまず間接ビリルビンになり、グルクロン酸抱合を経て直接ビリルビンに変わり、その直接ビリルビンが胆道を通って十二指腸へ排出されます。

疾病によって間接ビリルビンが優位なのか、直接ビリルビンがが優位なのかは「グルクロン酸抱合」を受ける前か受けた後のどちらに原因があるかによって変わります。

例えば溶血性貧血の場合、グルクロン酸抱合を受ける前に原因があるので間接ビリルビンが優位となり、胆道の閉塞だとグルクロン酸抱合を受けた後(胆道に原因があるため)直接ビリルビンが優位ということになります。

参考資料

第37回管理栄養士国家試験の問題および正答について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

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