第37回管理栄養士国家試験 問21【糖質】

人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
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第37回 問21

(問題)

糖質代謝に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)グリセロールは、グリコーゲンの分解により生じる。

(2)ヘキソキナーゼは、グルコースを基質とする。

(3)グルコース輸送体4(GLUT4)は、肝細胞に存在する。

(4)アラニンは、筋肉でグルコースに変換される。

(5)ロイシンは、糖原性アミノ酸である。

(解答)2


(解説)

(1)グリセロールはトリグリセリドの分解によって生じる

(3)GLUT4は主に筋肉や脂肪組織に存在する。

(4)アラニンは肝臓でグルコースに変換する。

(5)ロイシンはケト原性アミノ酸である。

 ※ケト原性アミノ酸は ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、リシン

糖質とは

糖質は三大栄養素の一つの炭水化物から食物繊維を除いたもので、オリゴ糖やでんぷん、糖アルコールなどの総称が「糖質」といわれます。

糖質(炭水化物)の特徴として

・糖質は分解されると体のエネルギー源として利用使われる。

・脳はエネルギー源としてブドウ糖を利用する。

・他の栄養素に比べて吸収が早く即効性がある。

 (吸収スピードは速い順で糖質(炭水化物)→たんぱく質→脂質となる)

・グリコーゲンとして筋肉や肝臓に貯蔵する。

など様々な働きがあり、体の機能に不可欠な存在です。

また糖質には様々な種類があります。

・単糖類

・二糖類

・多糖類

・オリゴ糖

・糖アルコール

など

糖質は覚える内容が多いので本を読んで一度に覚える!というのはなかなか難しいと思います。

過去問を解きながら分からないところを調べていくのがおススメです。

糖質に関する出題度

評価 :4/5。
第33回問23
第36回問18
第37回問21
過去5年分

※人体の構造と機能及び疾病の成り立ちから出題される「糖質」の問題のみ表示しています。

第33回 問23

(問題)

糖質・脂質代謝に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)クエン酸回路では、糖新生が行われる。

(2)グルカゴンは、肝臓のグリコーゲン分解を促進する。

(3)赤血球は、脂肪酸をエネルギー源として利用する。

(4)HMG-COA還元酵素は、脂肪酸合成における律速酵素である。

(5)コレステロールエステル転送タンパク質(CETP)は、コレステロールをエステル化する。

(解答)2


(解説)

(1)糖新生は主に肝臓で行われます。

(3)赤血球はグルコースをエネルギー源として利用します。

(4)HMG-COA還元酵素はコレステロール合成における律速酵素である。

 (HMG-COA還元酵素阻害薬は高脂血症の薬!)

(5)レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼはコレステロールをエステル化する。

第36回 問18

(問題)

糖質に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)ガラクトースは、非還元糖である。

(2)フルクトースは、ケトン基を持つ。

(3)スクロースはグルコース2分子からなる。

(4)アミロースは、分岐状構造を持つ。

(5)グリコーゲンは、テヘロ多糖である。

(解答)2


(解説)

(1)ガラクトースは還元糖である。

(3)スクロースはグルコースとフルクトースからなる。

(4)アミロースは直鎖の構造をしている。

(5)グリコーゲンはテヘロ多糖である。

余談メモ

アミロースとアミロペクチン

アミロースとアミロペクチンに関する問題で

・アミロースとアミロペクチンのどちらが直鎖なのか?

・うるち米ともち米のどちらがアミロペクチン100%なのか?

などが問われることがあります。

正解は直鎖がアミロースでアミロペクチン100%がもち米ですが、私自身なかなか覚えにくいと感じていました。

アミロースとアミロペクチンの構造がこちら

アミロースが直鎖なのに対し、アミロペクチンは分岐鎖の形をしています。

ではなぜアミロペクチンは粘り気が多いのか?

このアミロペクチンの分岐している部分に水分が入るため!

逆にアミロースは直鎖なのでアミロペクチンより水分が留まりにくいということになります。

比較するとこうなります。

構造式水分粘り気
アミロース直鎖少ない少ない
アミロペクチン分岐鎖多い多い

もち米がアミロペクチン100%であるのに対し、うるち米はアミロース20%、アミロペクチン80%なのでもち米の方が粘り気があるということです。

またもち米にはアミロースは含まれていません。

人体の構造と機能及び疾病の成り立ちや食べ物と健康の項目の過去問や問題集に、アミロースとアミロペクチンが入れ替わる問題が出ることがあります。

どっちがどうだったかな?と思っていた方の参考になればと思います。

まとめ

・糖質は炭水化物から食物繊維を除いたもの

・分解、吸収されると体や脳のエネルギー源としてりようされる。

・肝臓や筋肉に貯蔵し、肝グリコーゲンは血糖の維持に関与する

参考資料

第37回管理栄養士国家試験の問題および正答について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

月刊うちゅう 2021年8月号 (sci-museum.jp)

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