第37回管理栄養士国家試験 問20【酵素】

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第37回 問20

(問題)

酵素に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)酵素は、化学反応の活性化エネルギーを増大させる。

(2)競合阻害では、反応の最大速度(Vmax)は低下する。

(3)競合阻害物質は、活性部位に結合する。

(4)ミカエリス定数(Km)は、親和性の高い基質で大きくなる。

(5)トリプシノーゲンは、リン酸化により活性化される。

(解答)3


(解説)

(1)酵素は化学反応の活性化エネルギーを減少させる。

(2)非競合阻害では、反応の最大速度(Vmax)は低下する。

(4)ミカエリス定数は、親和性の高い基質で低くなる。

(5)トリプシノーゲンはエンテロペプチダーゼにより活性化する。

酵素とは?

食べ物を例題にした酵素について簡単に説明します。

酵素とはたんぱく質でできている触媒のことをいいます。

(触媒…化学反応の手助けをするもの)

例えばお米(でんぷん)を食べた時にどのような流れになるか・・・

もちろん、お米は食べてそのまま栄養に変わるわけではありませんよね。

では、どういうことになるかを想定すると

①口腔内で米(でんぷん)がアミラーゼによってマルトースに分解

②マルトースが十二指腸で膵アミラーゼよりさらに分解される

③その後、腸管内でマルターゼによってグルコースになる

④グルコースにまで分解された状態で血中に入る

赤で示したアミラーゼ、膵アミラーゼ、マルターゼがでんぷんをグルコースにまで分解するために必要になる酵素となります。

また食べたものがそれぞれの場所でそれぞれに見合った分解をすることを基質特異性といいます。

基質特異性

それぞれの酵素には決まったものにしか反応しないこと

でんぷんでは口腔内や十二指腸ではアミラーゼが、腸管内ではマルターゼなど

酵素があるから食べ物を体の中で素早く分解できる!ということ

酵素に関する出題度

評価 :3/5。
第33回問22
第35回問20
第37回問20
過去5年分

第33回 問22

(問題)

代謝と酵素反応に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1)グルコースは、代謝されると尿素になる。

(2)脂肪酸は、代謝されるとアンモニアになる。

(3)酵素反応の速度は、至適pHで最大となる。

(4)トリプシンの至適pHは、酸性領域にある。

(5)ペプシンの至適pHは、アルカリ性領域にある。

(解答)3


(解説)

(1)(2)グルコース、脂肪酸ともに代謝されると二酸化炭素と水になる。

(4)トリプシンの至適pHは、弱アルカリ性の領域になる。

(5)ペプシンの至適pHは酸性領域にある。

第35回 問20

(問題)

酵素に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)アポ酵素は、単独で酵素活性をもつ。

(2)酵素たんぱく質のリン酸化は、酵素活性を調節する。

(3)律速酵素は、他の酵素の活性を調節する酵素である。

(4)リパーゼは、脂肪酸を分解する。

(5)プロテインホスファターゼは、グリコーゲンを分解する。

(解答)2


(解説)

(1)アポ酵素は単独で活性酵素は持たない。単独で活性酵素を持つのはホロ酵素。

(3)律速酵素は最も遅い反応のものに関与する。

(4)リパーゼはトリグリセリドを分解する。

(5)プロテインホスファターゼはリン酸化したたんぱく質を分解させる。

まとめ

・酵素はたんぱく質でできた触媒である。

・酵素によって活性化エネルギーは減少する。

・酵素には基質特異性がある。

参考資料

第37回管理栄養士国家試験の問題および正答について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

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