第37回 問12
児童虐待防止法において、児童虐待と規定されている行為である。
誤っているのはどれか。1つ選べ。
(1)身体的虐待
(2)性的虐待
(3)ネグレクト
(4)心理的虐待
(5)経済的虐待
(解答) 5
(解説)
(1)~(4)は児童虐待に該当する。
(5)の経済的虐待とは、人の財産を不当に処分したり侵奪するなど経済的な面で人に苦痛を与えること。金銭的虐待ともいわれる。
特に高齢者や障がい者に対しての虐待で多く、生活資金を狙う、必要なお金を渡さないなどの行為が挙げられます。
この記事はこんな人に向いてます。
・管理栄養士国家試験を受ける人
・管理栄養士国家試験の過去問を解いてみたい人 など
児童虐待に関する出題度
第35回 | 問11 |
第37回 | 問12 |
過去10年間分を遡っても初めて出題したのが第35回の問題でした。
児童虐待とは?
児童虐待とは主に両親や保護者が18歳未満の子供に対して行うものである。
具体的な虐待の種類としては
・身体的虐待
・性的虐待
・心理的虐待
・ネグレクト
に分けられます。
身体的虐待とは?
暴力を振るう、けがをさせる、命に関わるような行為をするなどの行為を指します。
性的虐待とは?
子供への性的行為、性的行為を見せる、などを指します。
心理的虐待とは?
暴言、脅し、無視、兄弟間による差別などを指します。
ネグレクトとは?
ネグレクト(neglect)とは「疎かにする」「無視する」などの意味で、育児放棄を表す意味で用いられます。
食事を与えない、放置する、病院に連れて行かないなどを指します。
児童虐待の発生件数と現状
令和3年度において、児童相談所が対応した児童虐待の件数は207,660件で過去最多となった。
ニュースでも頻繁に取り上げられたことで「児童虐待」そのものの認知が大きくなりました。
また特にここ数年の伸びが大きくなった要因として親せきや隣人、知人、児童本人による通告が多くなったこともあるが、まだまだ件数としては氷山の一角に過ぎないのではないかと思われます。
児童虐待の種類別では心理的虐待が最も多く全体の43.6%を占めており、
次いで身体的虐待が29.4%、ネグレクトが25.2%、性的虐待が1.7%となっています。
児童虐待防止法
児童虐待を防止するための法律で2000年11月から施工されています。
児童虐待定義としては、18歳未満の子供に対し
・身体的暴行
・わいせつな行為
・減食や長時間の放置
・著しい身体的外傷を与える言動
などが挙げられている。
また児童虐待防止法では「何人も児童に対し、虐待をしてはならない」と規定している。
罰則規定としては2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または勾留もしくは科料である。
第35回 問11
(問題)
児童虐待のうち、ネグレクトに該当する記述である。
最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1)暴言を浴びせる。
(2)わいせつな行為をする。
(3)体罰を加える。
(4)食事を与えない。
(5)目の前で、父親が母親に暴力を振るう。
(解答) 4
(解説)
(1)暴言を浴びせるのは心理的虐待である。
(2)わいせつな行為をするのは性的虐待である。
(3)体罰を加えるのは身体的虐待である。
(5)目の前で、父親が母親に暴力を振るうのは心理定虐待である。
まとめ
・児童虐待には主に4つの種類がある。
・児童虐待の件数は増加をたどっている。
・児童虐待防止法では罰則規定が設けられている。
近年のニュースでも児童虐待は頻繁に取り上げられているので、今後も出題される可能性が高いのではないでしょうか。
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