第37回 問11
(問題)
感染症法における1~5類感染症に関する記述である。
最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1)コレラは、1類感染症である。
(2)痘そうは、2類感染症である。
(3)細菌性赤痢は、3類感染症である。
(4)ペストは、4類感染症である。
(5)結核は、5類感染症である。
(解答)3
(解説)
(1)コレラは3類感染症である。
(2)痘そうは1類感染症である。
(4)ペストは1類感染症である。
(5)結核は2類感染症である。
この記事はこんな人に向いてます。
・管理栄養士国家試験を受ける人
・管理栄養士国家試験の過去問を解いてみたい人
・感染症、感染症法について知りたい人 など
感染症に関する出題度
第34回 | 問11 |
第37回 | 問11 |
感染症法とは?
感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)は、1999年4月1日に施行した感染症の予防及び感染症患者に対する医療に関する法律。
それまで存在していた「伝染病予防法」、「性病予防法」、「エイズ予防法」が感染症法として統合した。
2007年には「結核予防法」が統合し、2021年2月には新型コロナウイルス感染症関連による法律の一部改正を行い、現在に至る。
感染症法による分類
感染力や重篤度により1類~5類に分類される。
1類 (7疾患) | エボラ出血熱、ペスト、痘そう、クリミア ・コンゴ出血熱、マールブルグ熱、ラッサ熱、南米出血熱 | 命の危険が高いもの |
2類 (7疾患) | 結核、SARS、※新型コロナウイルス など | 感染すると重篤化しやすいもの |
3類 (5疾患) | 腸管出血性大腸菌感染症、コレラ、腸チフスなど | 特定の就業において、集団発生になりやすいもの |
4類 (44疾患) | 日本脳炎、A型肝炎、マラリア、狂犬病など | 動物や飲食を経由して感染する恐れがあるもの |
5類 (全50疾患) | インフルエンザウイルス、麻しん、風疹、梅毒など | 感染力や重篤化の危険性が低いが蔓延を予防すべき感染症 |
1類及び2類感染症は都道府県知事が必要と認める場合、入院措置となる。
新型コロナウイルス(O-157)は2類感染症に分類されているが、5月8日から5類へ移行します。

2類から5類へ移行するとどうなるのでしょうか?
2類から5類へ移行するとどうなる?
2類 | 5類 | |
診察 | 発熱外来 及び 指定された病院 | 一般の医療機関で可 |
費用 | 無料(公費負担) | 自己負担 (一部無料がある) |
行動制限 | あり | なし |
全数把握 | 定点把握 |
今まで無料(公費負担)だった検査代、及び診察費用が一般の診察同様、自己負担となる。(ただし例外アリ)
また行動制限が解除となるため、インフルエンザと同じような扱いとなる。(濃厚接触者による隔離はなくなる)

2類から5類に移行すると
生活面で大きなメリットがあります。
ただ、5類になったからといって感染症そのものがなくなったわけでなないので
各個人の感染症対策は必要かもしれません
新興感染症と再興感染症
感染症のなかでも新興感染症と再興感染症に分けられるものがある。
新興感染症とは?
新興感染症は、過去20年~30年間の間に新たに発症した感染症で、今まで明らかになかった病原体によって感染するものをいう。
SARSウイルス、鳥インフルエンザ、後天性免疫不全症候群(AIDS)、エボラ出血熱、新型コロナウイルス、など
再興感染症とは?
再興感染症は、以前に存在していた感染症が一時的に減少したものの再び感染症として流行、または流行し始める可能性のある感染症のこと。
コレラ、結核、マラリアなど
第34回 問11
(問題)
感染症法により、医師の診断後、直ちに保健所長へ通じて都道府県知事へ届け出する疾患である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)梅毒
(2)E型肝炎
(3)クリプトスポリジウム症
(4)後天性免疫不全症候群
(5)クロイツフェルト・ヤコブ病
(解答)2
(解説)
問題に「直ちに届け出をしなくてはならない」とあるので1類~4類の感染症に該当するものが答えとなる。
(1)梅毒は5類に該当するため直ちに届け出をするものではない。
(3)クリプトスポリジウム症も5類に該当する。
(4)後天性免疫不全症候群も5類に該当する。
(5)クロイツフェルト・ヤコブ病も5類に該当する。
用語解説
痘そうとは?
痘そう(天然痘)は1類感染症に分類される感染症。
1977年にソマリアで報告があったのを最後に今現在まで痘そうは発生していない。
1980年にはWHOが「世界撲滅宣言」をし、世界で唯一撲滅したとされる感染症で、現在では研究用としてウイルスが存在するのみとなっている。
ただし感染力が高さや致死率が20~50%と高いため1類感染症として残っている。
まとめ
・新型コロナウイルスは5月8日から5類に移行する
・1類から5類の分類は感染力、重篤化などによって分類される
・1類と2類は 入院措置を必要とする(都道府県知事が認める場合)
・WHOが撲滅宣言した感染症は「痘そう(天然痘)」のみである

今年、新型コロナウイルスが2類から5類に移行したので
この先も感染症に関連する問題が出る可能性がありそうですね
過去10年間分の感染症に関する問題をみると
どの感染症が何類相当なのか、入院措置を取るのはどの感染症か?
を問う問題もあったので、何類にどういう感染症があり、どういう措置を取るのかを詳しく見ておくと良いでしょう!
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