第37回管理栄養士国家試験 問1 【予防医学】

社会 環境と健康
スポンサーリンク

問題

一次、二次および三次予防に関する記述である。

最も適当なのはどれか。1つ選べ。

(1)住民を対象とするがん検診は一次予防である。

(2)ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種は、二次予防である。

(3)脳梗塞発症後の機能回復訓練は、二次予防である。

(4)職場におけるストレスチェックは、三次予防である。

(5)精神障害者に対する社会復帰支援は、三次予防である。

(解答) 5


(解説)

(1) がん検診は早期発見、早期治療を目的としているので二次予防にあたる。

(2) ワクチン接種は罹患率の低下を目的としているため、一次予防にあたる。

(3)脳梗塞発症後の機能回復訓練は、病気になった後の社会復帰を目的としているため

  三次予防に該当する。

(4)職場におけるストレスチェックは疾病前段階における予防に該当するので一次予防にあたる。

さらに詳しく解説

この問題は予防医学からの出題です。

予防医学とは、「病気にかからないように予防する」という考え方で

病気を予防し、病気になりにくい体を作る。

病気を予防し、健康を維持する。

という考え方に基づいた医学のことを言います。

まずは一次予防、二次予防、三次予防の内容を見ていきましょう

一次予防二次予防三次予防
目的健康増進活動
リスク軽減活動、疾病の発現防止
(罹患率の低下)
早期発見
早期治療
(進行を抑える)
社会復帰のためのリハビリ
疾病の再発防止
QOLの向上
予防手段栄養相談、健康相談
予防接種、アレルギー対策
検診(がん検診など)
スクリーニング検査
リハビリテーションなど
予防例各種予防接種、食育活動
感染症患者の入院措置
粉塵作業における保護具の着用など
がん検診、人間ドック
新生児マススクリーニング
特定健康診査
特定保健指導など
社会復帰支援
職場復帰の適正配置
人工透析
精神科のデイケアなど
※三次は主に病気の人に対する予防医学である。

一次予防、二次予防は共に疾病前の段階の部分を指します。

疾病後のことについて問われるのは三次予防のみです。

予防医学の出題頻度

評価 :0.5/5。
第29回問1

この予防医学に関する問題は過去5年間において一度も出題されておらず、過去10年(第27回~第36回)においても第29回に出題されているのみです。

出題頻度としてはかなり低い方ですが、今年出題されていることを考えると

これからも出題される可能性は十分にあると思います。

第29回 問1

(問題)

疾病対策と一次・二次・三次予防の組み合わせである。正しいのはどれか、1つ選べ。

(1)子宮がん検診ー 一次予防

(2)粉塵作業における保護具の着用ー 一次予防

(3)野外活動前の虫よけ剤の使用ー 二次予防

(4)腎不全患者に対する人工透析ー 二次予防

(5)BCGの接種ー 三次予防

(解答) 2


(解説)

(1)の子宮がん検診は、「早期発見、早期治療」を目的としているので二次予防に該当します。

(3)の野外活動前の虫よけ剤の使用は「リスク軽減や疾病の発現防止」に該当するので一次予防に当たります。

(4)の腎不全患者に対する人工透析は「疾病後のQOLの向上」に」該当するため三次予防になります。

(5)のBCGの接種は「罹患率の低下や疾病の発現防止」に該当するため一次予防にあたります。

参考資料

第37回管理栄養士国家試験の問題について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

コメント