病院や学校、事業所などの給食においても作業するうえで「大量調理衛生管理マニュアル」は欠かせません。
その大量調理衛生管理マニュアルがどういうものなのか?
大量調理マニュアルとは?
平成9年(1997年)に集団給食における食中毒の発生予防を目的として厚生労働省が作成。
大量調理衛生管理マニュアルは主に同一メニューを1回300食以上、または1日750食以上を提供する調理施設に対して適応しているが、食数が本マニュアルに該当しない施設においても大量調理衛生管理マニュアルに沿った衛生管理が求められている。
また本マニュアルはHACCPの概念に基づいた重要管理事項に沿って、原材料の受け取りから納入品の管理、調理の加熱温度の管理、手洗い、調理器具の使い分けなど多岐にわたって示されています。
出題度
過去5年のうち3問出題されています。
第32回 | 問177 |
第34回 | 問169 |
第35回 | 問168 |
出題ポイント
・過去5年分の問題からは、どの作業をどの程度の頻度で行うのかを多く問われています。
・「実際にこの作業とこの頻度はふさわしいか」を想定していくと良いかもしれません。

では、過去問を解いていきましょう!
第32回 問177
問題
大量調理施設衛生管理マニュアルにおける施設設備の管理内容を行うべき頻度の組み合わせである。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)排水溝を含む床の清掃ー週に1回
(2)手指に触れる場所の清掃ー週に1回
(3)床面から1m以上の内壁の清掃-月に1回
(4)ねずみ、昆虫の駆除ー年に1回
(5)貯水槽の専門業者による清掃ー2年に1回
(解答) 3
(解説)
(1)(2)は1日1回以上清掃します。排水溝が汚れることを放置することよって調理場が不衛生になります。不衛生な状態だと害虫がくる原因にもなります。手指に触れる箇所の清掃1日1回以上行うことでも感染予防対策や食中毒予防(ノロウイルスなど)につながります。
(4)ねずみ、昆虫の駆除は半年に1回以上行います。(ただし昆虫等の発生状況については月に1回以上巡回し点検します)
(5)貯水槽の専門業者による清掃は年1回以上です。
※各清掃を行うべきところについて毎日なのか、週に1回なのか、月に1回なのか、年に1回なのか覚えにくい所ですが「実際に調理などに携わることを想定した時にこの場所はどの程度汚れるか?だったら掃除はどの程度の間隔でするべきか?」を考えてみてください。
第34回 問169
問題
大量調理衛生管理マニュアルに従った調理従事者の衛生管理に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1)検便検査は、2か月に1回の頻度で行う。
(2)腸管出血性大腸菌の検便検査は、年に4回の頻度で行う。
(3)作業開始前の健康状態の記録は、週1回の頻度で行う。
(4)下痢がある場合には、調理作業に従事せず、医療機関を受診する。
(5)ノロウイルスに感染した場合には、症状の消失をもって復帰させる。
(解答) 4
(解説)
(1)検便検査は月に1回以上と義務付けられている。
(2)腸管出血性大腸菌の検査は毎月義務付けられている。
(3)作業前の健康状態の記録は毎日記入する。※作業前に記入
(5)ノロウイルスの症状が消失しても、体内にまだウイルスなどが残っていることがあるため、すぐに復帰はしない。
第35回 問168
問題
大量調理施設衛生管理マニュアルに基づき、施設の衛生管理マニュアルを作成した。その内容に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
(1)冷凍食品は、納入時の温度測定を省略し、速やかに冷凍庫に保管する。
(2)調理従事者は、同居者の健康状態を観察・報告する
(3)使用水の残留塩素濃度は、1日1回、作業前に検査する。
(4)加熱調理では、加熱開始から2分後に、中心温度を測定・記録する
(5)冷蔵庫の庫内温度は、1日1回、作業開始後に記録する。
(解答)2
(解説)
(1)納入時の温度測定はしなくてはなりません。温度を測定し、記録した上で冷凍庫に保管してください。
(3)残留塩素濃度は作業前と作業後に行う。
(4)加熱調理では調理中(完成前)に中心温度を測る ※調理開始2分後では温度が上がってないのでは?
(5)冷蔵庫の庫内温度は定期的に記録する。
参考資料等
参考資料等
大量調理衛生管理マニュアル (厚生労働省)
Microsoft Word – 1006大量調理施設衛生管理マニュアル改正案 (mhlw.go.jp): 大量調理施設衛生管理マニュアルとは? 給食経営調理上における衛生管理マニュアル
調理場における衛生管理&調理技術マニュアル:文部科学省 (mext.go.jp): 大量調理施設衛生管理マニュアルとは? 給食経営
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